ここでは、ある開示請求について、紹介および解説します。
それは、ハローワークシステムに記録された相談記録の開示請求についてです。
相談記録ですから、個人情報に属し、自分自身の保有個人情報の開示請求をしました。
すると、開示請求日よりあとにデータが更新された相談記録が開示されました。国は、相談記録は日々、更新するものだから、開示請求日以後にデータ更新することはありうるといいます。
しかし、相談日から1500日もたった記録が訂正されており、不自然なのです。ハローワークの統括という役職の職員に聞くと、てにをはを訂正しただけたといいましたが、後日、法務省の訟務官がてにをはを訂正した事実はないと否認されました。
これとは別に平成29年度に国はハローワークシステムの改修をしており、通常の機器で簡便に見られる更新履歴を実装するとしていました。とある労働局の職員は結局、実装されなかった。厚生労働省の職員、厚生労働省大臣官房総務課公文書監理・情報公開室審査請求担当情報公開専門官も実装されなかった旨、発言されたのです。この時の発言の音声データは反訳し、法務省の訟務官に提出したところ、部分的に訂正された反訳書が帰ってきましたが、実装されなかった旨、発言している部分については、法務省職員も訂正することがなかったので、国として公式にそういう発言があったことは認めたと理解しています。
他方、審査請求で、国は通常の機器で見られる更新履歴の存在を認める理由説明書を提示してきました。そこの矛盾点を指摘すると当該部分を削除する補充理由説明書を提出してきました。なぜ、削除するかの理由の記載はありません。過失で事実と違うことを記載したとは思えず、事実としては、通常の機器で見られる更新履歴は存在するのだと思います。ただ、保有個人情報としては保持していないというのが国の主張だと思います。
また、改定案なる行政文書が開示され、更新履歴については、削除という文書が示されています。しかし、随意契約で事前に要件定義書が示されて、ベンダーの成果物として改定案に更新履歴の削除が盛られていたというのは非常に不自然です。仮に、このような文書があったとしても、「案」ですから、現実には上記の理由説明書に記載の通り、通常の機器で更新履歴が搭載されていたとみるのが正しいと考えられます。
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